2016年2月13日土曜日

【レビュー】キングジム ポータブックは、歴代のポメラと比較してキーボードの進化はあったのか?

各所で話題のKINGJIM(キングジム)PORTABOOK(ポータブック)XMC10をさわってみてレビューします。

PORTABOOK(ポータブック)とは、A5サイズのWindows10を搭載した小型ノートパソコンです。キーボードが収納タイプであり、A5サイズなのにフルサイズのキーボードを使える点が最大の魅力です。その魅力に9万円を出せるかどうかが、この製品の判断基準になります。

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ボディは、ソフトラバーな感じのプラスチックです。さわり心地は、さらさらです。そして丈夫です。強度はバッチリ。雑に扱っても壊れないでしょう。

サイズはA5サイズですが、重さは約830gあります。ずっしり感じます。モバイル用として1kg以下の重さは一つの目安です。鞄に入れてしまえば、ほとんど重さを感じません。

小ぶりなゴム足が4箇所にあります。重さがあるためか、非常に安定した設置ができます。A5サイズより一回り小さい足場に設置できます。

電源は左側にあります。SDカードスロットもあります。

背面にコネクタが、まとまっています。左からオーディオ、USB、HDMI、D-SUB、MicroUSB(充電用)です。最低限のコネクタが最低限そろっている感じです。LANコネクタはありません。

開閉式です。使わないときは閉まります。

横から見ると、かなりの厚みです。

厚みは、光学ドライブを内蔵したノートパソコンと同じぐらいです。


液晶はA5サイズなので8インチです。一緒に写っているのはiPhone6です。

モニターは、この角度まで開きます。十分な角度があります。

WEBカメラも備えています。

キーボードは、まっぷたつに収納されています。とても変わったギミックです。

キーボードのフレームは、アルミニウムです。非常にしっかりしています。

回転しながらスライドすることで、フルキーボードになります。

裏面には抵抗を減らすシートが設置されています。細かいところに工夫があります。

2つのキーボードを回転してゆくと、カッチっと合体します。

キーボードは、少しズレて見える部分もありますが、アルミのフレームがしっかりしているため安定した入力が可能です。見た目は不安定ですが、ガタツキなどの問題は、ほぼありません。

打ち心地は、コトコトした感じです。モバイル用のキーボードとしては、非常に打ちやすいです。


ポータブックのキーボードは、ポメラシリーズのDM25やDM100のレイアウトの流れを汲んでいます。歴代のポメラシリーズで培われてきたノウハウが活かされていると言っても過言ではないでしょう。

DM25キーボードの画像

DM100キーボードの画像

ポータブックのキーボードは、とても良くできています。ほぼ完成されています。

OSはWindows10です。通常のWindows10です。

モニターは8インチのTIF液晶です。解像度は1280×768です。最近ではフルHD画質(1920×1080)やIPS液晶などが一般的です。モニターの性能は低いです。古いモニターを見ているような気持になります。

CPUは、Intel Atom x7-Z8700プロセッサです。オフィス作業では快適に使える性能があります。メモリは2GBです。画像や動画処理をしなければ、十分なメモリです。

ストレージはeMMC 32GBです。SSDほど高速ではありませんが、HDDより速いため、オフィス作業なら快適です。むしろ32GBという容量の小ささがネックです。USBメモリやSDカード、ネットワークストレージなどを併用する必要はあるでしょう。

テキストエディタでフォントサイズ12ptで開くと、文字はかなり小さいです。目を凝らす必要があります。

16ptぐらいで普通な感じです。A5サイズのノートパソコンは、この小ささと戦う必要があります。これはポータブックの問題といより、8インチの画面によるところです。

ポータブック最大の特徴はA5サイズのスペースに設置できることです。A5サイズのテーブルがあれば、ポータブックは安定して設置できます。

A5サイズの手帳。

そのスペースがあれば、安定した設置ができます。

新幹線や飛行機など簡易テーブル上で、Windowsノートパソコンをフルキーボードで操作したい人向けのノートパソコンです。このA5スペースで作業できる付加価値に9万円を払える人は、まさにポータブックは最高のノートパソコンと言えます。

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歴代のポメラシリーズと比較、キーボードの進化はいかに?

ポメラシリーズは主にDM5、DM10、DM20、DM25、DM100のラインアップがあります。DM5からDM25は、折り畳み式のキーボードです。DM100は、折りたたまないタイプのキーボードです。SPEC比較は下記です。表はWikiから引用です。


発売時期順に並べてみました。情報はWikiから引用です。


・DM10 
2008年11月10日発売の初代機。

・DM20 
2009年12月11日に発売。記憶できる文章量の制限などを緩和した上位機種。

・DM5 
2010年3月9日に発売。画面解像度を落とし、メモリも初代機と同等の仕様に戻した廉価機。

・DM100 
2011年11月25日発売。ストレートタイプのキーボード、電子辞書機能、バックライト付液晶、Bluetooth、テキスト縦書き表示、親指シフト入力方式対応機能などを新たに搭載した。

・DM25 
2013年3月8日に発売。折りたたみキーボードタイプの後継製品。軽さ、薄さ、テキスト編集機能を改善したもの。


こう並べて見ると、DM10→DM20→DM5→DM100→DM25の発売順になっています。それぞれキーボードの仕組みを見てみましょう。

予想以上の大ヒットを記録したDM10。

折り畳み式です。

すでに完成されています。

1年後に発売されたDM20。モニターが大きくなりました。キーボードのレイアウトはまったく一緒です。

その半年後に発売されたDM5。

低価格版なのでプラスチック部分が増えています。

モニターが小さくなりました。キーボードのレイアウトは一緒です。

その3年後に発売されたDM25。

あれ、初代と同じです。。。

レイアウトも一緒です。なんというか初代が完成されていたんですね。

DM25の発売から遡ること2年前。2011年にDM100が登場しました。

キーボードのレイアウト変わりました。

やっと何が変わったのか比較できます。

初代DM10とDM100を比較してみましょう。

DM100は、キーが少し小さくなり、キーとキーの隙間が広がりました。キーのサイズより、隙間があったほうが、打ちやすいことが分かったのでしょう。

DM100はDM10より、キーボードの幅が1キー分ぐらい広がりました。隙間を作った分だけ広くなった感じです。

隙間ができたことで、スペース周りが使いやすくなりました。隙間って重要です。

電源も右上から、フレームに移動しました。

次はDM100→ポータブックを比較してみましょう。

ポータブックは、「1」のキーの横に隙間が空いています。「1」だけ大きいのは不便だったのでしょう。

ポータブックは、それぞれのキーが少しだけ小さくなりました。もしかしたら色による錯覚かもしれません。でも小さくなっている気がします。

Windowsキーも加わりました。

フレームにあった電源ボタンもなくなりました。

よーく見るとポータブックは、キーボードの横幅も少しだけ大きくなったようです。

DM10→DM100の進化で見たように、キーを小さくして、隙間を広く取ることで、キーの入力しやすさを向上させたと感じます。

以上、歴代のポメラシリーズと比較してみたら、キーボードのキーが少し小さくなり、キーとキーの隙間が広がり、キーボードの横幅もちょっぴり大きくなっていました。


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